さて、お味のほうはというと、その黒々としたスープは、醤油が煮詰まったような味。つまり塩分が多い気がした。しかし、色具合から受ける印象よりはあっさりしている。それはもちろん好みの問題。梅乃家に啓発されたいわゆる竹岡式ラーメンの後発店よりもシンプルな味付けかもしれない。この雰囲気にはこれがベストマッチなのだろう。トッピングの玉ねぎのみじん切りがたっぷり入ることで、塩分が調和して、それほどしょっぱくなくなる。
麺はもう少しコシが欲しいところ。これもまた長年人気を博していた梅乃家のベストなのだろう。分厚いチャーシューは味が濃い目。適度に柔らかく、しかし、とろーりというところまではゆかない程度。とてもおいしい。ばさばさのチャーシューが苦手な私だからチャーシューはこうであると嬉しい。チャーシュー丼にしてもおいしそうだ。我々が食べている間に食べ終わったお客さんがお土産用でチャーシューを買っていた。そのとき私もお土産に買おうと思ったのだが、帰るときにすっかり忘れてしまった。
評価としてはオリジナリティと、抜群に旨いチャーシューにはAだが、麺とスープは好みで賛否あると思う。でも、あのシチュエーションで食べるあの味は、間違いなく房州の名物であり、まだ食べたことのない方は是非一度体験されることをお薦めする。
取材日:2008/10/31