秋も深まり燃え立つような紅葉がひときわ艶やかさを増す季節
そば好きが心静かに味わう「新そば」シーズンの到来です。
蕎麦には「夏そば」と「秋そば」がありますが、味・香・色ともに優れている「秋そば」はそば通の方にとって待ち遠しいものであり「新そば」として市場に出回ります。
いま、一年中いつでも食べることができる蕎麦は、米や小麦などの穀類に比べると
低カロリーでルチンやビタミンB1・B2、リン、食物繊維などが豊富に含まれるため
健康ダイエット食としても注目されています。
蕎麦の粋な食べ方は江戸の小咄(こばなし)にありますが、夏目漱石の小説「我輩は猫である」の中で迷亭先生が講釈する小粋な食べ方を抜粋すると
「こう、一としゃくいにひっかけてね」
「この長い奴へツユを三分(さんぶ)一(いち)つけて、一口に飲んでしまうんだね。噛んじゃいけない。噛んじゃそばの味がなくなる。つるつると喉を滑り込むところがねうちだよ」
「笊(ざる)は大抵三口半か四口で食うんですね」とあります。