おそばのはなし 長月

おそばのはなし 長月

秋そばの花が満開となる九月―――

記録尽くしの残暑が厳しい季節ですが、そばの花は、朝・昼・晩ごとに趣が異なり、古くから見る人を魅了し続けています。

朝の陽射しを受けて生気に充ちたそば畑では午前十時頃をピークに清楚な白い花が凛と開花して薫りたち、蜜を求めるミツバチも活動的に飛び交います。
午後になると強烈な日差しに花や葉もうなだれて虫たちの姿も減りますが涼風の吹き抜ける夕刻に差し掛かると花は閉じても花冠の白さはさらに深みを増して身震いするほどの妖艶さを漂わせます。

鬼すだく 戸隠のふもと そばの花   蕪村

江戸時代の俳人・画家である蕪村の句は戸隠山で美女に化けて紅葉狩する鬼たちを平維茂(たいらのこれもち)が退治したという伝説から
―――紅葉の美しい戸隠山には鬼が群がり
その麓では白いそばの花が咲いている―――
鬼とそばの花の妖しさを重ね合わせながら紅葉と白い花を対比させて鮮やかに詠っています。

「しげの」の麺は、ご家庭でも手軽においしくお召し上がりいただけるよう熟成乾燥させた乾麺です。
昔ながらの職人の技を生かした深い味わいやコシの強さ、シコシコとした歯応え、のど越しのよさ、保存しやすさなどの理由から世代を超えたお客様から大きな支持をいただいております。

朝夕はめっきり涼しくなり、街は、秋色の装いとなりました。
そろそろ、毎日の暮らしの中でも夏バテ解消に役立つそば料理をご家庭でひと工夫してみたいですね。

茂野製麺株式会社広告 朝日新聞千葉版 2004年9月 掲載

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