初春の華やぎの中にも
凛とした空気が漂う年の始めは
寒の月でもあり最も冷え込む季節です。
根に帰る 花やよしのの そば畠
《吉野山の麓(ふもと)のそば畑にそばの花が咲いている。あれは吉野の桜が梢(こずえ)を離れて根に帰ったものなのだろうか》
1780年代の俳人・画人であった与謝蕪村は、吉野の畑に咲く白いそばの花は桜花の転生であり、全てのものは、その根源に還る運命にあると詠みました。
そばは、実を食糧とするために栽培しますが、そば殻は、ほどよい刺激と放熱作用から枕材に。
茎葉や根は、土壌を改良して保水力を高める肥料や家畜の飼料になり、また排泄物は堆肥として畑にまかれた後土に戻ります。